こんにちは、風と土の自然学校 梅崎です。
今日から12月。いよいよ1年の区切りの月となります。
昨年の秋に山梨県都留市へ拠点を移し、今年の春から新しい土地での田んぼと畑での作物栽培をスタートしました。
やってみてつくづく感じるのは、土地によって本当に性質が違うということ。
1シーズンつきあってみて、どんな風にしていけば作物たちが元気に大きく育っていけるか、少しずつわかって来たような気がします。
◇田んぼの収穫完了~
わが家では、ようやく遅めの稲刈りと脱穀が先日終わりました。
無肥料で取り組んだ今年のお米の収穫は、普通栽培と比べると半分位。
周りの田んぼのおじさんたちからは、「どうせやるなら、肥料を入れてたくさんとらないと」とおっしゃっていただきます。
まあ、わが家の場合、手間以外の元手はほとんどかかっていないし、わが家だけでは食べきれないくらい収穫できたので、とりあえずはこんな感じでいいかな、と。
◇作物を自給することについて思うこと
肥料と農薬を使って普通に作ると、1反(300坪)あたり人件費を除いて15万円ほどかかるそうです。
1反からとれるお米が8~10俵ぐらいとすれば、計480~600kg。
1俵あたり15000円位のようですから、売値で15万円。
つまり、手間賃が出ていません。
農水省統計情報部によれば、稲作農家の時給は2006年が二百五十六円。
2007年は、時給がなんと179円!
これは、最低賃金の1/3~1/4だから、すごい数字ですね。
ほとんどの農家さんは、勤めで稼いだお金で機械を買い、土地を守るためという使命感で米づくりをしているといってもいいかもしれません。
農は命を支えるひとつの営み。これも「業」にすると大変ですね。
だから、自然農業ではなく、自然農。
自然農は大規模にはできない反面、自分で食べるものを自分で作るのに向いているやり方だと思うんです。
長野で自然農を実践している農家 美斉津育夫さんが「食べ物は商品じゃない」とおっしゃっていましたが、これもわかる気がします。
やはり、食べ物というのは、できるだけ自分で作るのが本来のカタチなのかな、という気がするのです。
とはいえ、自給自足はなかなか大変なので、やはり食べ物を生み出してくれる土地と自然、農家さんには頭が下がります。
◇来春に向けて
今の時期は、収穫した分の補いとして畑と田んぼに米ぬかをまきます。
田んぼと畑には、冬の間休んでもらい来春に備えます。
来シーズンは、自家採種した種も播いていきます。
少しずつ、この土地に合わせて種たちも変化してくるでしょう。
いまからとても楽しみです!
↧
「自然農」が「自然農業」ではない訳
↧